国民が市民自治の権利を使うチャンネルは多様です。住んでいる基礎自治体(市町村や東京の特別区など)、都道府県、そして国政、つまり国全体のレベル、言いかえれば中央政府による行政のレベルなど。では、それらのレベルの関係はどうか。本当は、自治体のレべルがいちばん基礎。したがって自治体の政策がもっとも身近でもっとも重要なのですが、日本ではいまだに封建的意識が強く、市民よりお上(官)が偉く、お上のなかでも市町村より都道府県が、それよりも中央政府が偉いという序列意識が牢固として存在しています。市町村行政がいちばん身近なものだとはわかっていても、その行政のためには県から、国からカネをもらってくるのだという考え方が根強いのです。
アメリカは、日本の企業系列や株式の持ち合いは排他的だと批判しています。製品を買いつけ、部品を調達するときにはグループ企業を優先して、非グループ企業や外国企業を取引の対象から排除しているというわけです。もちろん、日本側も反論しています。自動車業界は、品質にむらのない部品を調達するには、取引先を決めておいたほうが効率的だし、新しい部品を共同で開発するにしても、グループ企業なら情報が外に漏れないといいます。アメリカと違って、日本では持ち株会社が認められていないので、安定株主を確保し、外部からの企業買収を防ぐには株式を持ち合うしか方法がない、という声もあります。会社の形態や事業の運営方法は、それぞれの国の歴史や風土を反映しており、どの国のシステムがよいかは簡単に決められません。しかし、市場は内外に広く開かれていてはじめて機能するわけですから、日本的な取引慣行に外部の企業を排除する面があれば、改善していくのが当然でしょう。
電通の新規メディアに対する先行投資の姿勢の現れだ。新社屋におけるの期待の星は、当然ながらデジタルメディア対応組織ということになる。97年10月、電通は、「インタラクティブソリューションセンター」(現インターネットビジネス局)を新設した。これは、インターネットなどを利用した双方向型コミュニケーションを、企業のマーケティングなどに活用していくための企画・提案を手がける組織だ。組織の特徴は、仕事の内容もさることながら、そのユニークなオフィス環境と、ワーキングースタイルにある。米国西海岸のデジタル系スタジオからヒントを得たそれは、個人の専用デスクは存在せず、自分の荷物はショッピングカートに積み込んで渡り鳥のようにもち運び、気に入った場所でノートパソコンをネットワークに接続して仕事をはじめる。その日の気分で好きな場所で仕事ができる次世代先取り型なのだ。